南淵明宏先生(大和成和病院院長) 

2010年10月11日(センチュリーホテル相模大野)

「患者の活力とは人間の中に秘めた無限の力」

手術は完璧に成功したが、患者の中には術後心配な方もいる

 皆さん、こんにちは(拍手)。大変天気がよくて暑い夏を思い出すような日ですが、皆さんの明るいお顔を拝見して、本当に元気をいただけるような気がします。とは言いますが、だいぶお顔を忘れてしまった人も多くて、どうも言ってることが矛盾しているところがあります(笑)。
 今、山本さんのお話にありましたように、「南淵先生に手術していただきました」なんてエレベーターを上ってくるときに声をかけられると、「あれ、ちょっと忘れちゃったな。この人、誰でしたか」なんて思うと、いやほんとに申し訳ない。何か話しかけられたときに、さっき山本さんもおっしゃったように罪の意識というものがありますから、もしかしたら叱られるのかな(笑)。傷が痛いとか、足がまだ腫れてるとか、そういうことを皆さんはおっしゃるわけですね。さらに、内科の先生に診てもらったらまた悪いと言われたよとか、そういうふうなことを聞きますと本当にドキッとしてしまいます。
 それは手術をやらせていただいて、手術は一生懸命やったんですね。決してどなたも手は抜いていません。でもなかなかうまくできないというか、いろいろと重症な場合もあったりして一体どうなるのかなと思うこともあります。
 実は手術が終わった瞬間に、できることはすべて完璧にやった、しかしクオリティーというか質の点で、この人にほんとにいい手術をさせてもらったという人もいますが、そうでない人もいらっしゃる。そういった人というのは大変申し訳ないというか心配なわけです。でも、そういう方が必ず再発するというわけでもなくて、なかなかこの世の中は予想を裏切ることも多々あったりします。

強い皆さん方にはさらに強くなってほしい

 考心会という会は14年続いています。アンケート調査も2回目、講演にしても毎回200人以上、300人近い人が集まってきます。まさに隆盛を極めるというか、本当に大変なパワーです。
 これはいつも申し上げておりますように、皆さん方は「心臓の手術は大変だな、もう嫌だな、布団かぶって家で寝ていたいな」という気持ちを自ら乗り越えて来られた人たちです。要するに皆さん方は選ばれた人たちですね。それだけ強い患者さんであるけれども、さらにその強さ、判断力、行動力をどっちの方向に向けていいかというのがあり余って「考心会」というかたちになっているんじゃないかなと思うんです。
 しかし人間ですからそういうところで感情的なもの――不安であったり、偏見であったり、ガセネタに近い情報であったり、健康食品とか新しい治療がどうのこうのとか、今日もそういう質問を受けましたが、考心会ではそういう惑わされることのないようなお役に立てるんじゃないかなと思ったりはしております。とにかく冷静に自分の体を見つめていただきたいということですね。
 皆さんは強い患者さんであったわけです。強い人間であって、強い判断力と強靭な精神力でものすごい行動を起こして手術を受けたということですね。でも人間はいつもそうだとは限りません。やっぱり弱気になることもあるし、何か人が言ったことにふらふらと判断を鈍らせてしまうこともあると思うんです。そういうことがないように常に冷静にということです。そういう状況でありますから、手術させていただいた側としては皆さんにずっと強くなっててほしい、ずっと強い状況であってほしいと、こういうふうに思っているわけです。

 「これでいいんだ、大丈夫だ」という患者自身の過信が危ない

  さきほど吉村さんが、ある方が亡くなられたお話をされました。その方は実はずっと心房細動という不整脈だったんです。そういうこともあって一体どうすればいいのかなと考えていました。僕自身の責任でもあります。心房細動で脈が非常に遅くなってきていたのでペースメーカーを入れたほうがいいということを説得しておりました。彼の息子さんは2人、お医者さんです。それでもなかなかペースメーカーを入れることは実現しませんでした。もしペースメーカーが入っていたら、今日も元気に来られたんじゃないかなと非常に残念な思いです。
 吉村さんもおっしゃったように、患者自身の過信――これでいいんだ、大丈夫だよということもあると思います。皆さんは手術を乗り切った強者(つわもの)です。よしおれの判断は間違ってないと。そうかもしれません。でもその判断がひょっとしたら間違っているかもしれない。ペースメーカー入れるのにまた入院して、あんなの嫌だなということで自分が惑わされてしまっていることもあるかもしれません。

正確な情報を得る。いろんなところをいいように使うことが大事

 それと正確な情報を得てほしいと思います。テレビやマスコミで新しい治療法とか、あるいは折り込みに入ってくるような怪しい情報、あるいは週刊誌の一番裏のページに書いてあるような変な情報ですね。そういうものに絶対に惑わされないようにしていただきたい。お金を使うだけであったり、あるいは本当に体を悪くしてしまうかもわからない。いろんなものが「いい」「いい」と言われているかもしれませんが、とにかくそういうことでかえって体を悪くしてしまうこともあります。
 先の方は僕の外来に通ってらっしゃったわけです。2カ月か3カ月に1回ではありますが、その都度、僕はこんなことをしているからいいんだ。そういった手続きを踏んでいてそれで大丈夫じゃないかという気持ちもおありになったんじゃないかと思うんです。
 皆さんご存じのように僕は典型的にいいかげんな医者でございます。本当に体全身くまなく診ているという内科の先生とは違う――この後でご講演いただく折茂先生が出てきたらわかります。折茂先生は上品な方で御自身も体脂肪一つないという感じの本当にしっかり勉強された方でいらっしゃいます。そういう方がいろいろ緻密に検査データを見るのを、僕みたいに何となく顔を見ただけで「大丈夫よ」みたいに言うのとは全然違う。僕なんかを信用するからいけないんですけれどね。こんなことを言ってはいけないんですが、やっぱりいろんなところをいいように使わないといけないと思います。それから過信してはいけないということです。
 キーワードというのは、とにかく自分というものがないと駄目だと思います。人に頼るのもいいですよ。でもそれは人を利用するということです。例えば折茂先生のようなタイプのお医者さんがいて、僕みたいなタイプのお医者さんがいるということであれば、まず自分があってそれをどう利用するかということに尽きると思います。
 もう一つ、前回もお話ししたかもしれません。僕自身も不整脈が結構出てきています。これは心臓の手術をお受けになられたというのとは関係なしに、今日は心臓の手術をお受けになられたご家族の方もいらっしゃいます。そういうご家族の方でも突然死という可能性がゼロではないわけです。

誰でも手軽に使える「携帯心電計」の有用性

 ここに携帯心電計があります。今日は受付の一番奥にこの携帯心電計のデモが出ています。これはある程度医療機器です。直接ここで販売しているわけではなくて、インターネットあるいは電話でしかるべきところから購入するということです。
 携帯心電計で以前あるいは病院の売店に売っているものは、スイッチを入れてこんなふうなことをするということでなかなか使いにくいような気がします。なぜかというと、僕も突然肩が痛くなっちゃってなかなか肩が上がらないことがあります。ですから、こういうふうにできないんです。痛くてしようがない。
 これはどういうふうにして使うかというと、このオレンジのスイッチを入れるとこういうふうに両方の手を離して持つんです。そうするとここの画面に心電図が出てくる。今も心電図が出てきます。25秒測ってそれをメモリでおいてくれるということです。リアルタイムにここの画像に出てきますから非常にいいと思います。これは結構高くて7万円もするんです。銀色のほうは3万円ということです。僕はできたら7万円のほうがいいかなと思います。これ1個買えば僕にいくらか入ってくるわけじゃないので、その辺は誤解しないでいただきたい(笑)。
 とにかくこういった心電計は最近思ったよりあまり普及していません。血圧計は随分普及しましたし脈拍もそうですね。でも情報としては非常に限界があります。こういう心電計というのはAEDということで突然心臓が止まったら、じゃあすぐにそれで戻るというふうなことで。ほとんど使われたことはないですけど一応機械として整備されています。これも必要なときというのは非常にまれかもしれませんが、必要なときはものすごく効果を発揮しますので、これはぜひ皆さん買っていただくことを強くお勧めします。
 と言いますのは、今日は来られてないかもしれませんが、先の方の葬儀に参加された幹事の方が3日後に同じように不整脈で倒れました。3分間意識がなかったのですが、これは大変だということでうちの病院に来られました。病院に来たときには全く不整脈はなくて、まさに川を渡るときのお金が足りなくて戻ってきたみたいな感じでしょうね(笑)。そういう体験をされた方がいらっしゃいます。
 今年の夏はほんとに暑かったせいもあるのでしょうが、不整脈というと脱水、低血糖、疲労の三つです。疲労の中には睡眠不足と緊張があります。夜中に飲んで次の朝早く、例えばゴルフ場へ行く。ゴルフをやっている間は水とか飲めなかったりしますね。そうするとてきめんに不整脈が起こってしまいます。そういうことがあると携帯心電計というのは本当に有用じゃないかなと思ったりします。今言いましたように、このタイプは両指で測定しますから、五十肩の人でもできるということです。

母親が旅館で倒れて救急車を呼ぶべきか非常に迷いました

 それからもう一つ。国松孝次元警察庁長官を先週お呼びして講演会をやったときにもお話ししました。実は2週間ほど前に母親を連れて箱根の温泉に行きました。温泉に入って夜中寝ていますと、母親がトイレで倒れて意識がなくなったんです。これは大変だ、来るべきときがきたかなということです。
 すると母親は別に意識がないわけじゃなくて、ふうふうと言って、いつも声が大きいのですが非常に声が小さくなって、「大丈夫、大丈夫」なんて言ってるのですが、どう考えても普通と違う。脈をとると非常にしっかりしています。脈が1分間に60回ぐらいとやや遅い。苦しそうな割には遅い。これはおなかのほうだろうということであります。
 何が言いたいかというと、救急車を呼ぶべきかどうかということを非常に迷ったのです。箱根の仙石原の旅館です。仙石原では降りたところに知り合いの病院がありますし、東名高速道路を飛ばせば大和成和病院から救急車が来てくれるかもしれません。でもそれは夜中の11時です。これはなかなか大事(おおごと)だし、旅館の人たちにも迷惑をかけるかもしれないということを一応僕でも思うわけですね。
 頭の中でどうしたものかと考え込んでしまいます。でもこのままうちの母親がもし心筋梗塞で死んだとすると、これはひょっとしたら最近テレビでよく報道されているような、息子が母親をほったらかしにして布団の中で冷たくなっていたのでどこかへ行っちゃったみたいな事件があったりしますが。それと同じようなことになるかな、あるいはもっと最悪で、保護責任者遺棄致死みたいな感じです。おまえ医者のくせにずっと母親が死ぬのを待っていたのかと。いや、これは冗談じゃないですよ。ほんとにそういう局面です。

旅館でもAEDや心電計があれば本当に助かります

 最近は検事さんが、ないもの、あるもの、何でもつくっちゃいますから本当に危ない時代になってしまった。いや、検事さんにも知り合いがいるからあまりこういうことを言っちゃいけませんけど(笑)。
 本当にこの中でも救急車にお乗りになられた方がいらっしゃるかなとは思いますが、その判断はまたすごいですね。うちの病院で手術を受けようなんていう判断も一つの判断です。ご家族なりご本人なりが「これはやばい、救急車だ」という判断です。この日本の社会ではお隣さんはいいけど向かいの家の人がまたうるさい、どなり込んでくるんじゃないかなとかいろんなことを考えたりするわけです。ご主人は知らないかもしれないけど、奥さんはそういう話をいっぱい知っています。
 だから救急車を夜中に呼ぶかどうかというのは、ものすごい決断だということが本当に身にしみてわかりました。僕は全然そんなことはわからなかった。医者でいっぱい救急車を見ておきながら全然わからなかったんです。本当に自分で体験しないとわかりません
 それで、救急車を呼ぶか呼ぶまいかというときに携帯心電計があれば。これ実は幾つか持っているんです。僕なんか「これ貸して」とか言ってポケットに入れてそのまま家に持って帰っちゃうわけです。それで家にこれがいっぱいあるんです(笑)。たまたまそのときは旅館に持ってこなかった。いやあ、本当に痛恨の思いでした。だからちょっとしたこういったものがあればほんとに大きな根拠になるなと思います。
 旅館でもAEDだけじゃなくてそういうものが本当に必要だと思います。だから皆さん、そのあたりをお考えいただいて物だけ買っても、皆さんは息子さんとかいらっしゃると思うんです。説明書を読んだら使い方はすぐわかると思います。そういう意味でぜひご検討いただければと思います。

患者1人ひとりにはものすごいストーリーがあります

 痛感しましたのは、そういう意味ではこういう機械(心電計)があればいいなと思ったのと、やっぱりドラマがあるんだなと思いました。皆さんが救急車で運ばれてきますね。病院にいますから救急車が入って来ると、「おお救急車、どうしたの。78歳。5年前にインターベンションして胸が苦しい」てな感じで僕らに情報が入ってくるわけです。
 ところが、その人は家で苦しくなったということで入ってきたわけです。理解はそこまでです。その苦しさが一体どうだったのか。その家の中でどんなストーリー、どんな会話があって、どんな気持ちがあったのか。みんな電話をかけたのか。そんなのが全くわからない。そういう意味では患者さん一人一人にはものすごいストーリーがあるなと思いました。まずそれを言いたいのです。
 明日の夕方、実は日本テレビの「ザ!世界仰天ニュース」のスタジオに呼ばれています。座っているだけで何かコメントするような役があるんです。それは医療の話というか、ある心臓病の子どもさんのビデオを10年ぐらいいろいろ撮って、結局亡くなられたんです。そういうストーリーで、その10年を追いかけたというのは大したものだなとは思います。
 ただ、僕はそういうところで反発というわけじゃないんですが、その子どもさんは9歳でお亡くなりになったということで、それは本当に大変だったなと思うし、映像で残っているというのは本当に貴重なことだと思います。そうじゃなくて本当に日常の普通に皆さんを含めて、ドラマとか小説で絶対に言い表せないぐらいの深い輝くばかりのまばゆいストーリーを皆さんは持っているわけですね。生まれながらにして心臓病の子どもさん。それもストーリーですけど、そうじゃない話というのがそこらじゅうに転がっているわけです。
 だからその子どもさんの話をとらえちゃいけないというわけじゃなくて、そこで何が言いたいかというと、いろんなテレビで見るストーリーがいずれ必ず自分にやってくる、自分が必ず経験するということだと思います。今お話しした救急車もそうです。今まで自分は体験しなかったけど、やっぱり僕も体験してしまったわけです。この中で僕の今の話を非常に共感して聞いていただいた方もいらっしゃると思います。
 救急車を呼ぶべきか呼ぶまいか、とっさに判断したという方もいらっしゃると思います。うーんとすごく迷いに迷ってやっぱり呼んでよかったという方もいらっしゃったりして。「こんなときには救急車を呼びましょう」なんて市役所へ行ったらポスターが張ってありますが、そんなふうにはいかないんだよと思う人もいらっしゃると思います。

病気というのは理不尽で誰にでも襲いかかるいつか通る道です

 しかし重要なことというのは、遅いか早いかの違いというのはものすごく大きいのですが、これはめちゃくちゃ大事です。ただそういういわば病気というのはとんでもなく理不尽です。これはだれにでも襲いかかるんだということ。それを明日、番組でカットされて放送されないかもしれませんけれども言ってみたいと思います。
 この子は助からなかったのかとか、この子は優しいね、母親も大変だねなんていうことを言うかもしれない。いやそんなことはない。あなた方はみんな必ずこの一生の中で経験することですよと。みんなに平等に必ず分け与えると。遅いか早いかは別として、いつか間違いなく絶対に通る道ですよということを、今からせりふを考えているんですけどね(笑)。これは鶴瓶と中居正広の番組です。でも僕は見たことないからどういうふうに言っていいかわからないですけど、そんなふうに思ったりしています。

病気にはなるがそれを跳ね除ける力、立ち向かう力を感じます

 こういうところでご挨拶というか近況報告というか、僕自身のほうは今も全く変わらず院長ではありますけれど、手術させていただいて、またこうやって時にテレビに呼んでいただいたり、あるいは学識経験者の会に呼んでいただいたりしていろんな話をしています。でもみんな同じことを言うんです。もう日本は駄目ということをおっしゃる学者の方が非常に多いです。
 しかし医療の現場を見ている限り、先ほどから言っているように、患者さんの活力です。病気にはなるが、それをはねのける、あるいはそれに立ち向かっている活力というものをすごく感じるんです。火事場のばか力と言ってしまえばそのとおりなんですけれども、人間の知識、いろんな経験を言いましたが、もっと根本、もっとほんとの心の中というか、しんに秘めた力というものをすごく僕は感じます。
 日本が駄目だ、教育が駄目だ、政治家が馬鹿だ、役人がインチキだといろんなことがあります。みんなそのとおりだと思います。しかし国民一人一人の力、人間の中に秘めた本当に無限の力というのはものすごいものがある。僕は病気になった患者さんがそれを発揮するのを見てるということで、そうじゃない、今後またいろいろ経済的なこと、いろんなことが起こっても必ずやみんな立ち直る、そんなの平気で立ち直るぐらいの力というのは個々の人間というのは絶対持っている。それをひしひしと感じております。
 そういうことも皆さんには一応お伝えしたいと思います。でもみんなわかっているかどうかわからないんです。みんな偉い学者の方とかいらっしゃったりはするんですが、なかなかそのあたり通じているものかどうか。病気というのは非常に特殊なもの、自分とは違う日常とはかけ離れたものというふうに考えている人が非常に多いです。
 ご近所で病気になった人がいる、自分がいる。いや、深層心理では自分は病気になりたくないから、病気になった人と自分は違うんだと。あの人、心筋梗塞で倒れたの、あの人はこうだからね、ああだからね、親もそうなんでしょ、たばこ吸ってたんでしょ、脂物が好きだったとか、そういうことなんでしょと考える。
 自分とは違う理由をいろいろあげつらって自分とは違うように持っていく。自分は違うんだ、自分は絶対病気にならないといふうに思う方を、皆さんもご病気になられた後、たくさん知っていると思います。この人は単に病気を怖がっているだけだな、でも必ずそういうことを経験するのにというふうに皆さん思ってらっしゃると思います。そのとおりです。それは全く正しいことです。僕も必ずそうなると思います。
 だからそういうときに、「いや、わからなかった、知らなかった」ということもたくさんあると思います。しかし人間というのはそういうものです。

知識を得るために自分の気持ちを冷静にコントロールする

 でもそれを乗り越える力は自分の中に持っているものでもあります。皆さんがそれを証明したわけです。皆さんもいったん勝ったわけです。勝利を収めた。でもやっぱり勝利をしっかり物にしないといけないと思います。西武ライオンズみたいになっちゃいます。クライマックスシリーズで負けちゃいました。ずっとトップだったのに。何か知らないけどクライマックスシリーズになったら2連敗しちゃったということで、やっぱり強さというものを維持して最後まで持っていかないといけないと思います。
 そのためには知識も大事ですが、その知識を得るためには自分の気持ちをコントロールする。冷静にならないと人に言ってることってわかりませんからね。知らないことを説明しても理解できない。冷静になる必要があります。冷静になって初めて人の説明がわかりますから、とにかく冷静になる。
 ということはどういうことかというと、それだけの気持ちの強さです。でも皆さんには必ずあります。絶対間違いなくあるんです。手術のときにそれは証明されたわけです。そういうことで皆さんいつまでもお元気で、この人生を楽しまれることを祈念致します。ご清聴をありがとうございました。(拍手)