心のひろば24

 かねてより会員の皆様からご要望のありました会員交流名簿「心のひろば」が出来上がりました。この名簿は会員同士の交流を促進するため、同じような手術を受けた方や症例をお持ちの方が、互いに情報を交換しあうことによって病気に対する認識を深め、術後の体調管理やリハビリ、再発防止に役立てるのが目的です。
 手術を受けた私たちは実にさまざまな悩みや疑問、不安を抱えています。
 ・手術は成功したが、心筋の一部が壊死したため無理はできない。長くは生きられないのではないか。
 ・人工弁やバイパスグラフトには寿命があると聞いている。いつ再発するかと思うと不安だ。
 ・カルシウムやビタミンK群の摂取を控えているが、栄養のバランスが崩れないだろうか。
 ・ゴルフやテニスが趣味だが、ウォーキングや散歩などの運動はどの程度やればいいのだろうか。
 ・旅行好きなので、あちこち行きたいが、遠方や長期の旅行には不安を感じる。
 ・手術後、執刀医から離れ、紹介元の医療機関に戻されたが、日々の健康チェックや定期検診は執刀医でなくても大丈夫だろうか。 
 ・手術痕の痛みやしびれ、かゆみ、不整脈などの後遺症に悩まされている。
 ・他の人と比べて何となく回復の速度が遅いように感じる。以前と同じように仕事に復帰できるだろうか。 
 ・薬はいつまで飲めばいいのか。同じ病気でも投薬の異なる人がいるし副作用も心配だ。  
 ・抗凝固剤を服用しているので歯の治療や他の病気の手術には不安を感じる。
 ・脳梗塞、糖尿病、癌なども併発している。人工透析も受けていて心臓がいつまで持つか不安だ。
 ・一人暮らしなので孤独感にさいなまれ、緊急時の対応に不安を感じている。
 ・職場の人間関係やサポートしてくれる家族、再発のことなどを考えるとストレスが溜まる。

 これらはほんの一例です。手術後、こんなことが起きているが、自分と同じ手術を受けた方もそうなのだろうか。なぜ自分だけがこうなのか。他の人はこんな時はどうしているだろうか。同じような悩みや不安を抱えてはいないだろうか━━と思うこともしばしばです。 そんな時、患者同士で心の通い合う交流ができれば、少しでも不安が解消され心のケアにつながります。
2010年7月に行った「心臓病アンケート調査(2)」では、手術後の不安や悩みとして、約40%の方が「再発」と答えています。また、再手術・再治療を受けた方が18%もいることがわかりました。再手術や再治療を受けた方の中には、初めての時とは異なった前触れや症状、手術を体験した方も大勢います。
 そうした方の体験談などを個人的にお聞きし、適切なアドバイスや知恵をいただくことは、術後の生活を充実させ必ずや大きな力になることでしょう。この名簿を積極的にご活用いただき、交流を通じて健やかな日々を送ることができますことを心より願っています。

 名簿は病名別(冠動脈疾患・心臓弁膜症・大動脈疾患、心室中隔欠損・不整脈)に分類、それぞれのグループを会員番号順に掲載いたしました。中には複数の手術を受けている方もいますが、分類は最初に手術を受けた病名のみにとどめております。この名簿は、個人情報保護法にもとづく「第3者提供の制限」に該当するため、会員の方で開示・公開に同意された方のみを対象に作成しました。名簿は毎年更新されますので、新規掲載や非掲載(削除)を希望される方、また記述に誤りのある方は事務局(TEL:046・258・5030)までご連絡ください。なお、名簿は同意者以外には配布されませんので、取り扱いについては細心のご注意をいただき、目的外使用のないようご協力をお願い申し上げます。 

 今回作成した「心のひろば」平成24年度版(2012年版)の名簿は6月31日までに申し込まれた分です。今年度は196名の掲載申し込みがあり、申込者には8月中に郵送でお送りいたしました。今後も随時掲載の申し込みを受け付けますが、7月以降に申し込まれた方のお名前は平成24年度版(再版はしません)ではなく平成25年度版に掲載されます。それまでは平成24年度版の名簿をお送りいたしますので、25年度版が出来上がるまでお待ち下さるようお願い申し上げます。
 なお、名簿の活用状況についてのお問い合わせがありますが、名簿はあくまでも個々人の交流が基本ですので、会としていちいち活動状況を把握することはいたしません。折角作成した名簿も入会された皆さんご自身が活用されないとまったく意味がありませんので、電話、手紙、メールなどで積極的に活用されることをおすすめします。連絡を待つのではなく、自分から行動を起こしましょう。