第5回総会(2001年5月20日・藤沢市民会館)

総会で会務報告を行う頓宮雄三会長

飯沼久美子先生(精神科医)の講演

 平成13年度(第5回)「考心会総会」が5月20日、藤沢市民会館で開かれ、会員112名が出席、大和成和病院からも心臓外科の南淵明弘先生、吉田聡子先生ほか5名のご出席をいただきました。
 総会では最初に頓宮雄三会長があいさつ、「平成12年度の会務報告」と「会計報告」が行なわれました。引き続いて、「平成13年度の予算案」の上程と審議が行なわれ、すべての議案が原案通り可決承認されました。
 総会では、会報『考心』紙上で、「同じ病名の方の情報交換」の呼びかけに、会員同士が連絡を取り合うなど、会報を通じてこれまでにない交流が深まっていることも報告されました。
 休憩後、南淵明宏先生のあいさつと講演が行なわれました。
 南淵先生は、「最近は患者自身が病院を選ぶ時代になってきました。自分で病院を選ぶということは患者同士が情報交換を行ない生の情報を持っているということです。従って病院はいかにして患者様の立場に立った情報開示や情報サービスを行なうかが課題です。よく医療過誤や医者のモラルが問題になりますが、一方では偶発性合併症など同じ治療を行なっていても患者さん1人ひとりによってケースが違うため、設計図通りにはいかないという医療の限界もあります。そうしたことも含めて分かりやすいカルテの公開や、医者と患者がひざを詰め合わせて十分に話し合うことが、医療過誤、医療不信を防ぐことにもつながります」とお話しされました。
 また、患者の心の健康についても取り上げ、手術後元気になられたにもかかわらず、睡眠薬に依存したり、生きる気力を失っている患者がおられるとして、会員に対し「不安度テスト」というアンケートの協力を依頼されました。これは調査の結果を心のケアに役立てようというもので、大和成和病院心臓外科医の吉田聡子先生より、このアンケートについての細かな内容説明がありました(アンケートの結果は3面に南淵先生の報告として掲載いたしました)。
 この後、飯沼病院院長で精神科医の飯沼久美子先生が、「うつ病」について講演されました。飯沼先生は、「最近は精神科を受診する患者さんが増えてきています。特に働き盛りの男性や若い女性に増えています」と指摘、このうつ病は「古代ギリシャ時代からあり、ITの時代になっても依然として人間の心は相変わらずうつ病に悩まされ続けています。このうつ病の原因ははっきり言って分かっていません。治療としての薬はあくまでも補助で、死を乗り越えるためのアドバイス、精神的なケアや家族療法の在り方をサポートしていくのが精神科医の仕事です」とお話しされました。
 この後、大和成和病院2階病棟の鈴木秀明看護士長があいさつに立ち、「楽しい病院生活、笑いのある病院生活を目標に看護に取り組んでいるので、お気軽に遊びにきてください」とお話しされました。
 最後に会員の武藤清さんが体験発表を行ない、南淵先生との出会いと手術の成功、術後は週1回大極拳、月2回のゴルフをこなし、アルコールも適度にやっているなど、第2の人生を楽しんでいるという体験談を披露されました。