司会(山本事務局長) 第2部のフリートークに入らせていただきます。テーマは「考心会の今後について」ということで、幹事の皆さんと会員の皆さんで自由にお話をしていただきます。実はこういうふうな催しは、考心会15年になりますけれども初めての試みです。これまで会員の皆さん方の要望とかご意見等は、毎回の催しでアンケート用紙をお配りしまして、その中に、感想とか提案とか要望事項を書いていただきました。
それを幹事会で検討いたしまして、実行できることは実行する。できないものについては仕方がないということもありましたが、そういうことを今までずっとやってきました。今回初めて会場で直接皆さま方と意見の交換をし合うということです。これは採決をするとか、議決をするとかいう総会とは別のものでございます。あくまでもこのテーマに沿って、皆さま方のご意見、ご感想、それから提案といろいろ出していただいて、後に幹事会でそれを吟味して今後の考心会の運営に役立てていくというのが趣旨でございます。
皆さん方にお配りしました資料をご覧いただきたいと思います。「フリー討論―考心会の今後について」の5番目にフリー討論するテーマを五つほど列記しました。皆さん堅苦しく考えないで非常に楽な気持ちで発言をしていただきたいと思います。最初にどうしてこういう場を設定したかということを、吉村会長のほうからお話をしていただきたいと思います。
15周年は1つの区切り「15の春は泣かさない」
吉村(会長) 今、司会の山本さんからお話がありましたように、私たちの会で初めてこのような催しをしました。それにはそれなりの理由があるんです。それはこれからお話しします。ただ、私も何を話したらいいかというのを全部用意していませんので、考えていることを全部言い切れるかどうかわかりません。しかし皆さん方と一緒にこれから懇談していくわけですから、硬くならないで今の思いというものを話させていただきたい。
15周年は一つの区切りの年だと思っています。そして私たちみたいな古い人間にとっては15というと「15の春は泣かさない」という。昔、生徒が急増した時代に、15歳になった中学3年生。その中学3年生を泣かさない。それは高校進学があるからです。受験難だったですから、なかなか入りたい高校に入れない。下手すると中学浪人も出てしまうというときに、何とか中学3年を無事に卒業し、高校に入学させたいという思いがそういう言葉になったように記憶しているわけです。「15の春を泣かさない」と。
そのときにそれぞれの家庭で新しい人生の門出、高校へ進学していくための自立していく一歩という意味で、家族でもって、その娘さん、息子さんを囲んで、「おまえはどこの高校へ行くんだ。今みたいなことをやってたら、これからちゃんとしていけないよ」と、自立のための懇談というんですか、家族で話し合って、そしてみんなで、ああしよう、こうしようという形で一歩一歩前に進んでいった。私たちの考心会も、この15の今、ちょうどそんなような状況にあるという思いがしています。今までずっと南淵先生の庇護の下に、それから大和成和病院の温かい環境の中でもって健やかに育ってきました。今、ちょっと大和成和病院とは距離を置いていますが、そのことについては後からもう一度お話しします。
考心会ができる4年ぐらい前にも患者の会があった
まず、考心会というのがどのように生まれてきたのか、誕生のことからお話ししたいと思います。古い会員の方はご存じだと思います。実は私たちは考心会ができる以前に、考心会と同じような患者の会を持っていました。それは南淵先生が大和成和病院に来る前任の病院で、南淵先生に手術された患者の人たちで作った会です。最初に手術された当時の人のお話では、手術が終わって家に帰ったが、しかし何か心配だからというので、同室の人や知り合った人で南淵先生と懇談されたそうです。いろいろな話が出た中で、私たちが入院しているときには、いざ何かあると主治医の先生に相談すれば解決したし、看護師に伺っても問題が解決しました。今、いったん家に帰ってみたらちょっと胸が痛い。これ何だろうというときにどうしたらいいのかわからないと。これから通院をするにしても2カ月3カ月の間がある。そのときに何かあったらどうしようか、これからの生活をどうしたらいいのかということを思うと不安ですというような話になったわけです。
そうしたら南淵先生が、「それなら患者の会を作ったらどうですか、もし作るならいくらでも協力しますよ」と、その声に励まされて患者の会が発足しました。それは考心会ができる4年前ぐらいの話です。初めは二けたぐらいの数で、手術した患者の希望者で会が発足し、順調に伸びていくわけです。そして350名から400名ぐらいになった。ちょうど発足してから3年ぐらいたったんでしょうね。そうしたら突然、南淵先生がお辞めになられた。そのときの幹事の人は、どうしたらいいのかと悩んだ末に病院に掛け合ったわけです。「これから私たちの心臓病の会にご協力願えませんか」と。そしたら病院のほうは、「いやもう一切協力はしません。そういう会に医師も派遣しません」と、こういうふうに言われたそうです。
その時、幹事の人はどうしたか。もう寄って頼るところはないのだから、これはもう解散するしかないんだと幹事会では解散を決めました。私はそのときには単なる会員で幹事でも何でもありませんでした。そして解散総会に出ました。幾人かの人たちは、「何で突然解散するんですか」とか、「いい会でいろんなことが勉強できたのに、この会をもっと続けてほしい」と言っていました。だけど幹事会でやめると決めたらやり手がないですよね。それでやむなく解散しました。解散総会ですから、解散しかなかったのです。
南淵先生が大和成和病院に移ってまた患者の会「考心会」ができた
それから1年ぐらいたって、南淵先生が大和成和病院で心臓手術を始めているということを知ったのが前会長の頓宮さんでした。頓宮さんが南淵先生にお会いして、「前みたいな心臓病の会を作りたいんだけどどうだろう、協力していただけますか」という話をしたら、「いいですよ、会を作るならば協力しますよ」ということで、解散してから1年後ぐらいして会が再発足することになった。どのような形で会が発足したかというと、前に会に入っていた会員の皆さんに、もう一度会を作りたいので希望する人があれば入ってください。それから新たに大和成和病院で手術した人も希望する人があったら入ってください。その両方でやっていきましょうということで、当時180名ぐらいの人で考心会が結成されました。
そのときは圧倒的に、元病院の患者の会にいた人が多かったわけですが、その後、大和成和病院も大きくなり、手術数も増えたため会員がどんどん増えていったわけです。そんな中でみんな同じ悩みを持っているんだから、南淵先生だけの心臓手術の人の集まりじゃなくて、大和成和病院で他の先生(倉田先生や小坂先生、藤崎先生、武藤先生)の手術を受けた患者でも、会に入りたい人には声を掛けて入ってもらおうということになって、今までの南淵先生の会から大きくなりました。そうした中で大和成和病院も私たちの会を認知するという経緯がありました。そして15年たったわけです。
今回、南淵先生が大和成和病院を突然お辞めになった。そのことが私たちの会の自立というか、そういうものに迫られてきたのではないかということです。では今、私たちの会はどうなっているのか、また簡単にお話しします。
南淵先生が異動されても「考心会」の基本理念は変わらない
最初に南淵先生が退職されたということを知ったのは、南淵先生からではなかった。病院からの電話でした。南淵先生が退職したけれど考心会はどうするのかという電話がありまして、私たちはびっくりしました。事務局長の山本さんと私に、「考心会はどうするのか」と言われたものですから、ちゃんとした見解を言わなければいけない。そこで話したことは、「私たちの会は患者の会です。患者の会、考心会が持続的、継続的に発展する方向で、この問題については冷静に対処したい」と、そう言いました。
南淵先生がお辞めになった話があったのは11月です。その前の10月には講演会をやっています。この1カ月の間に病院で人事上の何かがあったんじゃないかということは感じました。でもそれは私たちの会には全く関係のないことです。私たちがそこで話したことは、「院内で何か人事上の問題があったとしても、私たちの会としては全く関知しない。私たちはそういう問題については一切かかわりは持たない」という態度をはっきりさせました。併せて、「今まで南淵先生がいらっしゃったから考心会があったわけで、だから南淵先生には引き続き顧問をやってもらいます。それからもう一つ、大和成和病院からも新たに倉田篤先生を顧問に迎えたい。顧問は2人体制でいきたい」と、そういうことをはっきりと申し上げました。そして今日の総会に向けて、「アンケートの考察は南淵先生にお願いします、講演もしてもらいます。それから今後、講演会があっても、南淵先生が必要なときには講師にお願いします」と、そう言ったんです。
大和成和病院は何と言ったか。「それならいいです、大歓迎だから今までどおりの関係でやっていきましょう」と。そういうことで、まずそこのところはクリアしたわけです。これは12月の初め。まだこのときは南淵先生と連絡がとれていません。でも私たちは必ず南淵先生から連絡が来ると思っていました。
そして12月の末に連絡がありまして、新年早々に山本さんと2人で南淵先生とお会いしました。今までの経過と、考心会のこの問題に対する考え方、今、大和成和病院ではこうこうこういう形でもって進んでいる、ということをお話しした。南淵先生は「それは一番ベストな対応の仕方で、私もそれでいいと思う」と述べられ、「ならば引き続き、顧問をお願いできますか」「いいですよ」ということになり、大和成和病院と話し合ってきたことと同じことを話して了解がとれたわけです。
これまでは幹事会にかけずに、山本さんと私で話を進めていったわけですが、その後幹事会ですべて経過を話して意見を伺った、幹事会は全員賛成、だれも反対しなくて「それしかない」ということになり。それで考心会は着実に前に進もうということになったわけです。
2月の上旬に会員のすべての方に、南淵先生がお辞めになったことをお知らせすると同時に、会がこのことについてどうするかという考えも明らかにしました。それはやはり今言ったように、考心会は患者の会だから、患者の会が継続する、持続する、そういうことを第一に考えて歩んでいくということを中心にした簡単な文書です。
その後、2月から3月にかけてはアンケートについて幹事会の考察をやり、どういうふうにするかというのを論議しました。そして編集についても協議し、そして今日の総会の具体化に向けて論議をしているのがちょうど2月半ばから3月上旬ぐらいでした。
3月の上旬、これも突然です。大和成和病院から私のところに電話がかかってきました。「今までと同じようなことをやるならば、今後一切協力できない」ということでした。今までは幹事会の会場として病院の会議室を使わせてもらっていましたが、「今後は遠慮してほしい」と。それから「顧問の就任の話もお引き受けできない」ということでした。そのときの条件とは何かと言うと、南淵先生の顧問を外すか外さないかということだったのです。
嵐がやむまでは冷静に対処、考心会が自立するチャンスでもある
私たちはそのときにこう思いました。これは私たちと大和成和病院、南淵先生との間で了解したものの外側で風が吹いている、大嵐が。嵐はどんなに吹いたって必ずやむ。だからこの問題について、私たちがああだこうだと言い訳をする必要はない。だから言い訳はしませんでした。私たちは今の状態というのは嵐だから、嵐がやむまで私たちは冷静に対処する、そういう形を一貫してとってきました。そして電話でかかってきた問題については、「いずれ幹事会でそのことについては協議して回答する」ということだけは言いました。そして南淵先生と相談して今日のすべての行事を決めました。
ここで一つ言えることは、これは考心会が自立していく一歩になったということです。そういう意味では、いいにつけ、悪いにつけ、いずれそういう形をとらないと、会というものは健全にならない。ただ、後はどういうふうにするかという問題があります。その後、大和成和病院とは4月になって話し合いました。総会をこの場所でやるということと、議題についてこういうことをやるということをお知らせしました。
もうそのときには大和成和病院の態度はだいぶ風がなえてきていました。病院は勘違いしているんです。私たちが何か、こっちの派だ、あっちの派だとかいうようにですね。私たちは皆さん方のほうに目を向けて、皆さん方のこれからの健康をどう考えるかということで会合し、一緒に勉強会をしているわけです。だからそういう会だということをわかっていただいた。これからは、もう風はそんなに吹かないと思います。
一時止まっていた会員の入会についても、やっと入ってくるようになり、これからは必要に応じて協力致しましょうというふうになってきています。これまでの対応については、本当に11月の末から4月ぐらいまでの間は、大嵐の中で、どうしたらいいのかということを考えながら幹事会を開いてきたわけです。
これは私たちが冷静に判断した結果なので、それを皆さん方にいいとか悪いとかいう判断をここでしてもらうつもりはありません。ですからそれを総会にかけて、よかったですか、悪いですか、賛成ですか、反対ですかと、そんなばからしいことはやりません。そうじゃなくてもっと利益になる方向でこの問題を解決していく。そのために今日のこういう懇談会を開いたわけです。
討論を進めるに当たって5つのテーマを設定しました
皆さんの考えを、直接語ってもらって私たちは励まされたい。また私たちもそれに応えたい。一緒になって、今ある力をもっと安定的にやっていく。そしてもっと進んだ会に、開かれた会にしていくにはどうしたらいいのか。それが今日これから論議してもらうテーマです。
ちょっと難しいかもしれませんが、それは生の自分の思いを言っていただくことが、この会を大きくするか、小さくするか、そういうものにもつながっていくんです。難しいことを言ってもらうわけじゃありません。今の気持ちを言っていただきたい。そこで一応テーマを考えています。一つは新たな会員を迎える体制、さらに維持、発展させるためには。こういう題材にしたのは、仮に大和成和病院から入会がない、東京ハートセンターからもない、そういう中でまさに自力でもってこれから会員を増やさなきゃいけないのかなということです。
入会者はが去年は58名、退会者が113名でした。退会者が増えるのは、今回のごたごたで何人かおやめになった方がいます。それ以上に大きいのは15年という歳月です。60歳で手術すると15年たてば75歳です。ということは、残念ながらお亡くなりになる方もいらっしゃるし、来たくても来られなくなる人もいます。いろんな条件があって、これからはご高齢の方はなかなか来れなくなります。自然に減ることは間違いない。だから新しい人を増やさなきゃいけない。これが会の鉄則です。
今、大和成和病院からは少しは会員が入ってきておられます。そういう点では私たちが対応していることはそんなに間違ってないと思っています。でもそれはそれだけの話で、もっとちゃんとした安定的な方向でやっていく必要があるのではないか。皆さん方の意見があれば聞かせていただきたい。それから私たちの会でもちろん何もしないわけじゃなくて対応は考えています。考えていますが、それがうまくいくかどうかというのは、時代の趨勢もありますし、またいい活動をしてなければそれだけの魅力もないわけです。そういうことも含めて、その辺のところをお聞かせいただきたいというのが1番目です。
健全財政の維持と幹事の若返り・活性化が課題
それから二つ目。、健全な財政の維持と財政の安定化をはかっていくこと。会費3000円のお金です。これはこういうふうにやりますから3000円を5000円にしますよ、会を維持するためにはこうしますよと、そんなことは全く考えていません。3000円以上、上げるつもりはありません。それでやっていく、活動していくというのが私たちの会の基本です。今回は前回から積み上げてきた財産があります。財政的には体力があるということです。
けれどそれに寄りすがっていたのでは、いずれ体力がしょぼったら駄目になる。そういう点では健全財政を維持していくということで、私たちはなお一層努力していきたい。それからまた他の人からの協力も得られるところは得たいと、こんなことを考えています。会員が増えなければ財政もしぼんでいく。そういうような関係もあるので、ご意見をうかがいたい。
そして三つ目。若い人を幹事に加えて幹事会の活性化をはかること。これはやっぱり緊急課題です。毎回総会に来ていただいている方、あるいは講演会に来ていただける方は、「今回、幹事の人はずいぶん少ないね。あんなに手薄だったのかな。幹事の人はやめたのかな」と思われる人もいるかもしれません。やめてる人はいないんですよ。
去年の1月から今年の12月ぐらいまでの間に、前会長の頓宮さんともう1人幹事が亡くなって、2人お亡くなりになった。それからこの間に入院、手術、それも重大な入院、手術をされている方がいて、今日も手術して来られない、まだ退院できない人が1人。そういう重大な手術をした人が幹事の中で3人もいるんです。加齢でここに来られなくなっている、来たくても来れないという幹事の方も2人いらっしゃいます。
それから、山本さんと私なんか元気そうに見えているけれど、私は過去にもステントを何本か入れてますし、今週には大和成和病院に飛び込んで、ちょっとぐあい悪いけど、と診てもらって大したことないと言われて出てきたんです。山本さんも調子が悪いということでしょっちゅう病院に行って検査を受け、ステントを入れたりしています。
後藤さんのように若い人、黄地さんという新しい人も迎えていますから、そういう新しい力にもこれから依拠していきたいのです。でも、まだまだ全体的に見たら人数が足りないわけで、幹事の人たちをどういうふうにしていくか。みんなが倒れたので新たに幹事の人を入れても、すぐにバトンタッチができて、発展につながわるわけではありません。遠方の方は無理だし、お願いするにしても色々な問題があります。
じゃあ幹事になったら何かいいことあるのかというと、ありません。いいことは病気の話がよくできる。(笑)いつでも会えば病気の話から始まって、和やかに作業をしています。どの幹事の方もみんな和やかに気持ちよくやっています。ボランティアですからね。和やかにやらなかったら、だれもやりたがらないでしょう。幹事になったらどんなに年とってもやめないんです。やめたくないんです。仲間ですから。そういう楽しい幹事会を今、構成しているわけです。そういうところにどういう人が入っていただけるのか。それが三つ目です。
総会と講演会の中身をどうしていくのか、新しい芽はないか
四つ目。全会員を視野に入れた総会と講演会です。今までの活動はそのまま継承していきます。でも、中身をどうしたらいいのかというのは、皆さん方の知恵をおかりしたい。ただ、これもやっぱり人数との関係があるんです。参加者が多いと会場を取るのが大変だし、人数が少なければもっと小回りできていい。だけど参加人数は少なく来ることではなく、多く来ることを前提にしてやっているわけです。
それから五つ目。心臓手術後の生活をより豊かにするために新しい芽があるか。これは未来志向じゃないけれど、これがあるともっといいものが、こんなものがあるというようなことも含めて出していただきながら未来を語っていく。私たちはいつも後ろ向きにならない。健康な体をずっと持続して維持していく。そういう前向き志向の中で会が存続しているわけですから、そういうことも皆さんと一緒に語りたい。
言いたいことを私が話してきましたが、何もまとまっちゃいないんです。ただ、こういうことを皆さん方と一緒に話し合うのが15の年だと思っています。限られた時間ですが、これからのことを前向きに考えていける土台、足場を築ければいいなと、こんなふうに思っています。
ちょっと長くなりました。あとは皆さん方と、ここに幹事が3人います。ほんとはもっと幹事の人に並んでもらいたかったんですけど、いろんな体調不良もあって並べません。それは皆さんにおわびしますけど、よろしくお願いします。長くなって申し訳ありませんでした(拍手)。
「病院は」というのは理事者側か、それとも院長か
司会(山本) ありがとうございました。どうしてこういう場を設定したのか、それから考心会の今までの経緯を説明していただきました。テーマが五つ用意してございます。これらをまとめて全部一緒にできませんので、順を追って1番から話を進めさせていただきます。
会長からも説明がありましたけれども、新たな会員を迎える体制、さらに維持、発展させていくにはどうしたらいいかということでございます。現在会員数は協賛会員を含めて、850人ほどです。それでも相当な会員数です。全国にいらっしゃいますので、こんなに会員がいる患者の会なんてあるだろうかと思うぐらい多いです。
でも、昨年度は55人しか入ってこなくて、113人もおやめになると、入ってくる人が少なくなれば会員の数も減ってきますので、どうしたらいいかということです。現在病院のほうの入会が滞っている状態がございますので、どういう形で会員を増やすか。会員を増やすのが目的ではありませんが、ある一定の会員がおられれば、運営もまたいろんな展開ができてくるだろうし、財政的にも安定してくると思います。この新たな会員を迎えるにはどうしたらいいかということで、ぜひともお話を伺わせていただきたいと思います。
Aさん 本質的なところをお尋ねしたいのです。先ほど来「病院は」という表現をとっていらっしゃいます。それは病院の理事会側ですか。それとも院長さんがそうおっしゃっているのか。それによって考え方がかなり変わってくると思います。
吉村(会長) 「病院は」ということをあえて言ったのは、院長の倉田先生との話から判断したことです。それでは院長以外にほかの人はどう思っているかというと、はっきりした形では分かりませんが、他の人もそういう思いを抱いているのではないかなという予測です。交渉して話をしている人は院長と事務長です。全体としては十分確かなつかみはない。ただ、あえて「病院」と言ったのは、個人の見解も含んでいるということです。それともう一つ、病院もその中に絡まっている、じゃないかという思いからそういう話をさせていただきました。
Aさん 先ほど「どんな嵐でも時が過ぎれば」というご発言がありました。かなりその考え方が重要かと。本来は成和病院の患者さんを募集して入会していただく、要は同病の人たちが集まっていろいろ情報も交換し、いろんな勉強会でこういう形で教えてほしいというのが趣旨ですから、そこのところをおさえておく必要があるのではないか。成和病院からも会員を迎えられる、それから南淵先生の東京ハートセンターからも会員を迎えるというようなことを考えていいのかどうか。その辺のところの判断の基準で今の成和病院についてご質問申し上げた次第です。それ以上のことはいろいろ事情がおありになるのでしょうから、それ以上のことはご質問申し上げません。
司会(山本) ありがとうございます。私どもの会は、基本的には大和成和病院に対しても今まで同様に入会のお願いをしておりますし、今後もお願いをする。それから南淵先生の病院の東京ハートセンターについても入会のお願いをさせていただいております。ですから、その活動は今後もアプローチは続けたいと思っています。
スッキリした情報を提示しては、情報開示という責任もある
Bさん 私は今回初めて参加させていただきました。昨年の4月20日に倉田先生に手術をしていただきまして、大変経過は順調です。年明けに考心会からお手紙が来る前から情報はちらほら入っていました。今日のお話を伺っている限りでは、嵐はそのうち去るということですが、腫れものにさわるようにして何が何だかよくわかりません。
例えば成和病院では、南淵先生のポスターは全部取り外されているし、ごたごたが起きたということははっきりわかるわけです。それを嵐が去るまで、嵐はそのうち去りますなんて言われても、私たちがそれを知る必要はないでしょうけど、あれだけ成和病院の名を上げて、大和市の市制50周年で感謝状までもらっているのに、何かそこら辺を全く触れないで。もちろんそこに入れば泥沼に入ってしまうということもわからないではないですが、そんな腫れものにさわるような態度でいいのかなとも思います。
今日の南淵先生のお話を伺って、自分は弁の手術を受けて、手術の前と手術の後にもすごい不安がありました。今日のアンケートの結果を読ませていただきまして非常に参考になりました。今後もぜひとも参加させていただきます。ある程度すっきりした情報を提供するのが、患者の会の責任でもあるように思う。皆さん何が起きているのかわからないと思うんです。それを人事の問題には関係ないとか言うと、何かすっきりしない。原発の事故じゃないですけど、情報開示ってある程度必要だと思います。
吉村(会長) そういう応対になってくると、本来ここでやろうとした趣旨とずれてしまいます。私が答えるのは簡単です。さっき言ったように、いろんな思いがあるでしょう。それは認めます。私だってあります。でも、それを追い詰めていくとどういうことになるでしょうか。何か私たちにいいことがありますか。私はないと思う。どっちがよくて、どっちがだめなんていうことは、よくわかりません。だから私たちが考えなきゃいけないのは、そういうことよりも、会がそういう波風の中でも、やはり大和成和病院からも協力を受けてもらう、それから南淵先生からも協力を受けてもらう。そしてそれを力に私たちの会をもっと充実したものにしていきたい。その思いが今、私がずっと話してきた中の主要な点です。だからその辺のところはご理解いただけないかなと思うわけです。
司会(山本) 私どもの会は、大和成和病院に対するアプローチを全くしないとか、かかわりを持たないということは今後もあり得ないわけですし、今も続けております。ご質問の情報開示の話ですが、病院の情報を考心会が代弁して皆さま方にお知らせするということは基本的にあり得ないと思っておりますので、その辺はご理解をいただきたいと思います。
2つの病院の協力があればベーシックに会員は維持できるのでは
Cさん 昨年の8月に弁置換の手術を受けました。先ほど山本さんから東京ハートセンターからも会員の入会がもらえるし、今までどおり、大和成和病院からももらえるという話がありました。ということであれば、患者の会なのでその方たちの紹介で任意で入っていただければ、ベーシックに会員の数を安定させることはできると思います。
先ほどちょっと言われてましたが、確かに医者の業界ではこんな話はいっぱいありましてね。お医者さんの取りっこなんていう話は実際にいっぱいあるわけです。そこまで我々が口を出す必要は全くない。したがって、我々は独立独歩で会員の数だけをちゃんと維持しておけばいいと、こんなふうに思っています。会員の維持、両病院につばつけてあれば十分な話じゃないでしょうか、とこう思います。したがって、あとの行事とか何とかの話は、一番大切なことはあまり頑張り過ぎちゃいけない。このくらいのレベルでいいから継続すること、これが一番大事だと思います。息張って脳溢血で死んじゃったなんていう話になると余計まずいです。普通に安定的な、年に2回の総会と講演会です。それとあと情報の共有というか、流すという話です。患者さんの方はこうだった、ああだったという話が知れるだけで十分3000円の価値はあるんじゃないかと思っています(拍手)。
司会(山本) あまり頑張り過ぎちゃいけないと今、大変いい話をしていただきました。ほかにも実は数は少ないですが、病院以外から入ってくる方もいます。例えば考心会はホームページを持っていますから、ホームページで入会の呼び掛けをすると、それを見て、「私はどうでしょう、入ってみたいんですけども」というふうな問い合わせもありましたものですから、今年度はホームページに、入会呼び掛けのページを作りまして全国の皆さまにも発信をしたいと考えています(拍手)。ありがとうございます。
それでは2番目にいきます。会長のご説明にもありましたが、健全財政の維持と安定をはかっていくにはどうしたらいいかということで、毎年総会で会計報告をさせていただいております。皆さん、最近は考心会というのはかなり繰越金もあるし、財政的に豊かじゃないかと思っている方もいると思います。周年事業で結構ためているじゃないかというふうに思っている方もおりますし、そんなんだったら会費を下げよと言ってくる人もたまにはおります。おりますけれども、今現在なぜそういう財政状況になっているのかということを、会計の大貫さんから話をしていただきます。
10周年記念事業の剰余金を原資に毎年積み立てを増やしてきた
大貫(会計) 今のことについてお話をしたいと思います。今年は320万円という積立金を繰り入れ致しました。この残金は毎年は大体20万から30万の剰余金という形で組み入れることができるんです。5年前に10周年をやったときに、お金がなかったものですから企業からたくさんの寄付や広告をいただきました。その残りが200万円ぐらいありましたので、それに毎年剰余金を積み立てて増えていきました。いま、事業をやってもなかなか320万円というお金は集まらないと思います。やってみないとわからないですが、また企業にお願いするとかしても、今はこういう状態ですので寄付はなかなか集まりませんし、協賛会員にもあまり入会していただけません。それで実は困っているんです。
入会されても会費未納という企業もありますので、その辺りのところをどういうふうにしようかなと。2回3回、再発行という形で会費の請求をしていますが、なかなか入金していただけません。だんだんそういう厳しい時代になるのではなかろうかなと思っています。今の会費でいきますと20万円ぐらいの剰余金が出て積み立てができる。そうしても5年間で100万円しか積み立てできませんから、大きな事業はなかなかできない。そうした事態で、会費を値下げをするというわけにはいかないんじゃないかと思います。
司会(山本) 会員の中に「3000円は安い」なんていうふうに、逆に言ってくる方もおられます。必要だったら会費を上げればいいじゃないか、とおっしゃってこられた方もおりますが、先ほど会長が言いましたように、値上げをするつもりは全くないということが基本的な考えであります。
いつも私どもが思っているのは、皆さま方から3000円の会費を預かれば、その年度には3000円以上の何か役に立つことをお返ししようじゃないかということでやっておりますので、事業によっては足らないということも出てくるかもしれません。特に周年事業をやりますと、どうしても会費だけの賄いでは足りなくなってくるということで積み立てなんかも行っているわけです。
大貫(会計) 本日、受付で皆さん方に会費を納入していただきましたが、あと、欠席された方には、6月に会報「考心」を送りますが、そこに振込用紙を入れて納入していただくという形をとっているんです。自分で郵便局へ行って支払うという形は億劫ですので、なかなか入金がありません。すでに今回3月31日現在で、ここに書いてありますけど、まだ70人ばかりの方が22年度の会費が未納になっています。
このうち大体2年間、30人から40人ぐらいの方が未納になります。2年間未納になりますと、自動的に名簿から落とします。中には2年続けて納入していただける方もいらっしゃいますが、ほとんどの方は2年というと、病気になられたんだか、亡くなったんだか皆目わかりません。現在この方たちについては全く音信不通でございます。本人も入会されているんだか、やめているんだかわからないと思いますが、会としては会報などの資料は2年間は送ります。経費も当然かかりますので、やめられる方は、会長なり会計なりに、電話かはがきでご連絡をいただければ幸いだと思います。
会員の立場を考えた運営をやっていただけるとありがたい
Dさん いつもこういう書類、会議報告を見せてもらっていますが、会計の方、会計監査の方、また、これを会長さんがちゃんと判子を押して出してられるわけです。これをずっと見せていただいておりますが、これだけの会合で非常に立派なものをまとめてられるなと、そういうことを感じました。
もう一つは、会費が3000円であっても、私個人としては、この3000円以上の効果が今までにあったと思っています。まだ手術して2年たったぐらいのところですけれども、随分いろんな面で心をいやす支えになったもので、これがこういう運営でやっていただいたことを非常にありがたいと思います。
今は欠席者が多いということです。会長さんから30分余の話の説明が細かくありましたが、何か内容的に見ると腑に落ちない感じがしてしようがない。要するに、もうちょっとこの会の運営について何かうまくやる方法がないかなと思うわけです。言うなら、こちらに座っている多数の元患者。この会から見ると会員であり、政治的に見ればお客という立場の会員のメリットを受けるほうです。我々のほうにもっといい運営をしていただくとありがたいと思うんです。
そういうものであれば、例えばこういう計画をするので、いわゆる企業からの献金じゃなくて個人ですね、今までこれだけ心臓の治療や手術にお世話になったので、いい計画があれば3000円以外にもお出しして、みんなでやっていこうという、そんな心の弾むような会合になってもらえばありがたいなと思います。
この会の運営についてさかのぼっての説明がありましたが、最初の発案された元会長さん方のご尽力でもってここまで来たと思うんです。それは非常にありがたいですが、私の場合には心臓の弁がぐちゃぐちゃになっていて2本バイパスも入っています。これはインターネットを調べたり、あるいは紹介もあって倉田先生にお世話になったんです。そういういきさつがあるものですから、こういう場で倉田先生にでも会えればいいという感じがします。
何かもう少し温かい、いわゆる心臓手術後の生活を考える会として、我々の立場を考えたような、そういった運営をしていただくとありがたい。経理は立派にやられているんじゃないかなと思います。必要なら必要なときに、みんなで協力し合えばいいと思います。。役員の方が病気で出られないとかうんぬんじゃなくて、役員の方はご心労されていると思うし、また、こちらのほうもいろいろと不都合があって、足が遠のいていくような人があったとしたら、これから先、今日のこれを機会にして、そういった文句が出てこないようにすればと思います。
そういう意味で、ここに用紙があって今日の総会の感想や意見をアンケートに書いてとありますけれども、今日聞かせていただいてこういうものを出すんじゃなくて、もう少しそういったものを考えさせてもらえるような時間が欲しいなと、そういうふうに考えました。
個人でも会費2口3口などというのがあってもいいのでは
Eさん 今の話とほぼ同じなんですが、やり方の問題です。私はよく寄付をするんです。大学とかオーケストラとかで、ある一定金額を寄付をしていくと、お礼というのが必ず出るんです。それと同じで会費の値上げはしない、1口3000円ということは変えないで、もし余力がある方は、例えば2口とか3口の会費を出していただいてもいい。例えば2口以上を出した方はその代わり称号をつける必要はないですが、今度の「考心」のところに、この方から特に5口いただきましたとか、そういうのをもしやれるのであれば、会費は上げないけれども余裕がある方はそうしてもいいのではないか。多分収入はなくてもお金持ちの方はいらっしゃると思うんです(笑)。ですから、そういう方がやりやすいような仕組みを作っていただければ、もうちょっと増えるんじゃないかなと思います。
行事を日曜・祝日だけでなく平日も考えてみたい
吉村(会長) 私はできるだけ平等で、だれもが同じで会はやっていきたい。多く出してもらうのは大変ありがたいですが、多く出してもらうということはやっぱり心苦しい。出せない人いる。出したいと思っても出せない場合もあるわけで、そういう金額のところでもって差はつけたくない。だったら努力したほうがいいという考えです。
一つは会費はそのままにしてもどうやって増やすかという問題。それから使い方をどうするかという問題。その二つだと思うんです。使い方をどうするかという問題で一つの提案です。これにはどうしても削れないものがあります。通信費とか事務費とか会議をやればそれだけのものがどうしても必要。
一番、値動きが激しくて莫大な金額を使うのは何だと思いますか。会場費です。ここを使えば5万円ぐらいですが、昨年10月にホテルを使いましたよね。あれは公共施設の会場が取れなかったからホテルになったわけで60万円かかりました。どう思いますか。講演会の中身は変わらないですよ。ただ、そこでできたことは、ホテルはフロア形式だったので、みんなでもって話し合う場ができました、それだけなんです。
やっぱりそういう場も持ちたい。しかし安くやりたいというので、これもまだ幹事会で十分話し合っているわけじゃないんですが、今、私たちがやっているのは日曜と祝祭日を限定して会場を取っているんですが、日曜と祝祭日は市の企画でほとんどふさいじゃう。空いている日を一般の人に開放するわけです。空いてるコマは一つとか二つですから、抽選に外れるとアウトです。じゃあ土曜日はどうなのか、平日はどうなのかという話もあるわけです。そういうような会場費ですね、これを何とか費用のかからない方法を考えていきたいとは思っています。
司会(山本) 今、会長からお話がありましたように、5万円と60万ではものすごい差があります。私どもは本当はホテルなどではやりたくないんです、お金がかかりますから。こういうところが取れれば非常にいいんですが、今までは抽選で当たってきたのでラッキーだったんです。ずっとラッキーが続いて、こうした会場を使えることができたんですが、抽選ですから外れることもあるわけです、そのときに、いや民間しかないよということになるとやむをえないということになりますが、今後もできるだけ公共施設を利用して会場費を増やさないようにしようという考えは持っております。皆さん方も、うちの近くにこんないい会場があるよ、安いよというふうなお話がありましたら、どんどん教えていただきたいと思います。
先ほど2口3口はどうかというお話がありました。私は一つの考えとしてはなかなかありがたい提案かなと思っておりますが、会長はそういうふうな考えは基本的になさそうです。でもそれはせっかくのご提案ですから、幹事会でも十分に検討させていただきたいと思います。
グループ討論は講師料を節約しても会場費に充ててほしい
Fさん 私はここの会に入れさせていただいて4年目になるんです。患者同士の話し合いというのは去年あったのが初めてだったんです。あの会が私は非常によかったんです。先生にいただく薬よりも勝るものがあったような感じがするんです。私だけの考えかもしれません。ディスカッションになると、場所がこういうひな壇ではできないという会長さんのお話ですが、それは当然です。
ですから、立派な先生のお話を今まで私、出席してきた中で、「心臓病にならないためには」というのが多かったんです。私たち、なった者ばかりです。手術した者ばかりです。だから手術後の話の食生活とか、行動とか、運動とか、そういうことも私は聞きたかったんです。十人十色といますから私の意見が正しいとは限りませんが、立派な先生をお呼びするにはやっぱりお車代を払わなきゃいけない。1年に一度でも結構ですので、患者と南淵先生を主体とした会にすればそんなに謝礼も要らないんじゃないかなと思います(笑)。変な話ですけど、その謝礼の分を会場費に充てていただければできるんじゃないかなと思います。
去年やったとき、大勢で会ったグループは、私は弁のほうだったんだけど弁のほうが多くて、一人10秒も話せない人がいたんですよ。もっと聞きたいお話もあったんです。でもなかったんです。あれ全体で1時間もなかったんですよね。でも非常にいい会だと私は思うんです。そういう点、皆さんのお考えを聞きたいと思います。
司会(山本) ありがとうございました。私ども毎回ほんとはそういうものを入れていきたいんです。実はここの会場もフラットにできると伺いました。この会場はひな壇になっていますけれども、自動的にフラットにできるということですね。例えばこういう会場を使ったときに、グループ討論とかそういうことも今後はやっぱり入れていきたいというふうに考えております。
目標設定とメリハリをつけた運営が必要ではないか
Gさん 今までの話を聞いていまして、まず目標がないんです。800名でいいのかどうか。800名で3000円でやっていけるのかどうか。もっといっぱい増やしたいのか。インターネットを使ってね。それとも今の現状のところで、できる範囲でやっていけばいいのか。それがはっきりしてないんです。どうなんですか。これからもっといっぱい集めたいんですか。真剣に今、ご討議なさっているみんな経験者です。この人たちが本当に病後のことを知りたい、本当に知りたい人同士の集まりで、3000円以内でできることをやればいいんだと思います。
私も1万6千588人の会を束ねている者でございます。こういうことも何回かやります。会場が取りにくいのはよくわかります。そこのところは、申し訳ないですけど役員の方が努力してやるのが一番よろしいので、これしかないです。
退会するときには言ってきてほしいなと言ってらっしゃいますが、それは非常に他力本願で、退会する人は、私もそう思っておりますけれども、必ず連絡するときにはその旨を(ハガキなりの)一番下のところに入れておけば多少は違ってまいります。そのように少し努力をされたらいかがでしょう。以上です。
司会(山本) 今、目標がないというご指摘がありました。ほかにも3点ばかりありましたが、これについて会長はどうでしょうか。
会長(吉村) おっしゃるとおりです。目標を今まで決めていません。というのは、どんどん増えていったからです。ここまで行ったらもう入れませんというわけにはいかないから目標がなかった。私たちの会の適正規模というのがどのぐらいかというのを、私は今考えるべきだというふうに思っています。
適正規模、それがまた難しいんです。会員が全国にいますから、その人たちの何人が会場に集まってくるのかというのは、ふたを開けて見なければわかりません。それから適正規模が例えば500名なら500名にしたら、そのときはたまたま何人になるかということです。500人だからこのぐらいの会場と思っても、たくさん来て、入り切れなかったらご迷惑をかける。皆さん方の気持ちがわかるだけに、またせっかく足を向けて来た人にご迷惑をかけたくないという思いもあって、なかなかそこのところにはまだ目が向いていません。
ただ、私が考える適正規模、適正規模というのは会員数じゃないですよ。実際にこういうところの会場に集まる適正としては250〜260名ぐらいならば、いわゆるフロア形式のところを取ってやれることができる。いままでも規模が大きくなる過程において、そういう催しは何回もやってきました。それはいいということは知っています。評判もよかった。だけど、大きくなっていく中ではなかなかそういうふうにはできなかった。だからこれからはそういうふうに内面の充実、会の充実ということに、もっと配慮した見方をしなきゃいけないのかもしれません。
Gさん お言葉を返すようでございますけれども、そちらのほうからめりはりをつけていく必要もあるんじゃないでしょうか。何か漠然としてて、暗やみの中で仕事をしているような感じがするんです。それは日本中の人が全部幹事をやってもらえればいいですけれども、ますます難しいじゃないですか。だからやっぱりめりはりをつけていただければこの会の価値も出てまいりますし、もっとみんなが入りたいという希望も出てくる。漠然と広めちゃっていたら、それはリーダーが苦しむだけですよ。
ある程度800人なら今の既得権があるわけですから、この方だけでやると。減った人がいたら、それを増やす枠だけはあるというようにしていきませんと、これはリーダーが苦しむだけです。だからしりが引けちゃっているんです。自分でめりはりをつけていかなかったらこれはできません。それしかないです。
大貫(会計) 今のお話はよくわかるんですが、患者(会員)自体、お年寄りの方が相当いらっしゃる。会費を払っていただいている会員、ご家族の皆さんも会員ですから、会費を払っている人だけを集めるというわけにはなかなかいきません。今日も介護の方が大勢いらっしゃる。そうしますと、ここが400席です。前には500人ぐらい来られた時がありましたが、前へいすを出したりすると、消防法で違反になりますから、会場から注意を受けます。
そんな関係がありますので、少なくとも400人ぐらい入れる会場を常時取れればいいなと思っているんですが、なかなか藤沢のほうは400人は入りませんし、ここの会場も抽選で取れないときもあって、非常に苦労しているんです。ですから会員だけでやるというわけにはなかなかいかないと思います。
まず第1条件として駅に近くなきゃいけませんし、体の悪い方もいらっしゃるので、介護人を入れないというわけにはいきませんので、なかなか人員の把握というのは難しいです(拍手)。
若い方を幹事を加えて活性化をはかりたい
司会(山本) Gさんからいただいたご提案は、本質的なところかもしれません。目標の設定をやったほうがいいんじゃないか、めりはりをつけた運営が必要だろうということですね。役員は、それぞれ覚悟を持って受けたわけです。皆さまのお役に立つのが役員ですから、それなりの心づもりでやれということだろうと思います。ご提案は幹事会でもまた検討させていただきたいと思います。
3番目に移りたいんです。若い人を幹事に加え、育て、幹事会の活性化をはかりたいということです。役員を長くやっている方もおりますし、そろそろ辞めたい、またいつまでやっているんだというふうに思っている方もおられると思います。好きでやっているわけではありません。できるだけ活性化をはかるためにも入れ替わりがあったほうが私もいいだろうと思います。
ただ、先ほど会長のお話がありましたが、現在、南淵先生の顧問を入れて16人の役員がおります。現在入院している人もいますし、昨年度はほかの病気、あるいは同じ心臓関係で倒れた人というのが何人もおられるわけです。出てこれない人も2人ぐらいはおられます。現状ではやはりちょっと少ないだろうという気がしております。
皆さんに手を挙げていただいて、「私、協力するよ」というふうにおっしゃっていただければ一番ありがたいんです。お住まいの都合で遠くの方もおられますし、できたらこの大和周辺の人が適当だろうなとは思います。「私やりたいよ」という人がいたら、手を挙げていただいて協力していただきたいと思うんですが、この会場で「はい、私やります」というふうにはなかなか言えないですよね。
お若い方に入っていただくのが一番ありがたいんです。といっても心臓病にかかる人というのは、大体年配の方が多くなってしまうものですから、若い人に「入ってくれよ」と言ったって、若い人がそれほど心臓病になるわけじゃありませんので、私どもが希望しているとおりにはなかなかいかないかもしれません。
吉村(会長) 若いところで、後藤さんに入っていただいた感想なんかをちょっと話してもらいたい。
後藤(幹事) 幹事の後藤と申します。1年半ほど前に、弁の手術で倉田先生に手術していただきました。入院中に同室の方にいろいろとよくしていただきました。それから病院の先生も含めて何か成和病院とつながりを持っていきたいと思いました。手術の前にも考心会のホームページを見て、こういった会があれば安心だという、いろんなことも含めまして退院直後にご案内いただいて入会しました。
すぐに講演会がありましたので、それに参加して、その場でお手伝いできることがあればという気持ちで、そこから1年半ほど参加させていただいています。入ってみて、ほんとに幹事の方はボランティアといいますか、多いときは月に2回ぐらい集まって半日いろいろな作業をしたり、会議をしたりとか、今回もいろんなトラブルがありましたが、それに対して考心会としてどういうふうに考えていこうかということをやっています。
ほんとにまじめな方で、それから利益を考えた会じゃありませので、皆さんからいただいた会費をいかに返していくか、きちんといい情報を作っていくかということを一生懸命やられているので、ほんとに素晴らしい集まりだと思っています。プライベートでも一緒に旅行に行かせていただいたりとか、先輩方からいろんな病気に関する情報をいただいたりして、いい機会に幹事をやらせていただいていると思っています。
そういう意味で、若いとか若くないとかいうことじゃなくて、そういった幹事の仕事ぶりですね、こんなことをやっているというのを、例えば「考心」とかホームページに、写真入りでお伝えすると、こちらとそちらということじゃなくて、一緒にやってる仲間の一人というふうに見ていただけるかなと思います。
例えば提案ですけれども、「幹事会便り」みたいなものも「考心」の1カ所に入れたりするとご理解いただけるかなと思います。それから、じゃあちょっと手伝ってみようとか、総会とか講演会のときだけちょっとお手伝いしようという方が出てくれば、少しずつ、一緒に参加していただけるような方が増えていくと嬉しく思います。大変楽しい幹事会ですので、それをお伝えしたいと思います。(拍手)
司会(山本) ご協力をいただけるのであれば、後で役員の方に申し入れをいただければと思います。会報にも呼び掛けをさせていただきたいと思っております。
全会員を視野に入れた総会や講演会の持ち方をどうするか
4番目になります。全会員を視野に入れて総会、講演会の持ち方をどうしたらいいかということです。先ほど会長からもお話がありました。会員は沖縄から東北まで全国に散らばっています。今日はどうかわかりませんが、かつては宮崎、京都、新潟、大阪、松本などからもわざわざ総会とか講演会に出席していただいている方がおりました。非常にこの会に対する期待といいますか、そういうものを感じておりました。だからこそきちっとした、皆さんの役に立てることをやらなきゃいけないというふうに思っているんです。
しかし、全会員を視野に入れた総会、講演会の持ち方というのは、これは物理的に難しい。先ほどの会場の問題もあります。そうかといって、欠席された方にも何らかのアクセスといいますか、かかわりを持てるようなものができないかなというふうには、実は幹事会もずっと思っているわけです。いろんなやり方があるかと思うんです。それをちょうどいい機会でございますので、ぜひとも出していただければと思います。
田(副会長) 僕は本音言いますと、この会に幹事として参加してまだ間もないです。特に横にいる吉村会長、今、司会をやっている山本さん。この2人はすごい魅力的な人物です。そういうわけで毎回、感動してこの会に参加しています。いろんなことをやっています。みんな和気あいあいと楽しくやっている会なので、僕はこのまま死ぬまでお手伝いしようかなと思うんです。(拍手)
司会(山本) 田さん、ありがとうございます。総会は年に一度ですから、こういう形式を持たざるを得ないと思います。あるいは講演会も場合によってはそうかなと思うんです。かつてこういうご意見をいただいたことがあります。
全国にいるんだから、1カ所に集めないで、例えば東京なら東京、静岡なら静岡、福島なら福島、新潟なら新潟というふうに、地域で何か事業を持てないかというふうにおっしゃった方があります。ところが、現実にそれをどのようにやるかということになると、役員は全部神奈川にいるわけですから、地方のほうまで飛んでいって、お膳立てをするというわけにはいかない。ほんとは地方にいる方が仲間をつくっていただいて、地方でできるような活動をやっていただけると大変ありがたいとは思うんですが、これも口で言う割には、なかなか簡単にはいかないと思います。
吉村会長がやり方を考えるのも一つの手だということでお話がありましたが、何かありますか。地域ごとにやるとか、この前私にそういうような話がありましたね。
会員は点になっているけれど面にはなっていない
吉村(会長) いつもいろいろな提案をして、新しい方向というものを模索しているんです。今、考心会の会員は点と点でつながっているというふうに思っています。点と点がつながっているというのは、見たことあるな、会ったことはあるなとか、この人もいるのかということで、顔見知りにはなっているということです。全部が全部じゃないですけどね。ところが面になってない。面になってないというのは、あなたと一緒にゆっくり話したいなとか、術後の経過がこうだと言って交流し合う間柄にはまだなっていない。これは非常に難しい問題です。
私たちの会は、幹事と皆さん方とが一緒になってこういうふうにやるのもいいんですが、もっと患者同士が友達になって、自分の健康のことについても話し合えるような会になってくれば、これは今とまた一段違った形の会になるんじゃないかというふうに思っているんです。
ですから一つの方法として、これからの問題ですけれど、グループ討論で前にやったのは、どういう手術をしたかという病気の種類によって分けた。今度は地域を決めて、できるだけ地域の近い人同士が話し合うフロアを設けていけばそういうことができるかなと思うんです。でも、そこにもまた難しい問題がある。例えば大和市と相模原市、藤沢市とか鎌倉市の人だったらそれはまだいいんです。でも、遠方の人はそれができるかなという問題です。
それから、来た人がアンバランスで、アンバランスをどう克服するかという問題もあるんです。そういうところではお互いに許容できる範囲、我々が許容できる幅をどれだけ持つかということになるんじゃないか。許容できる幅というのは、我慢してでも一緒に話して、友達をつくっていこうという気持ちが優先できるならば、あまり地域に関係なくても結構いけるかなと思います。
ただ、私たちは頭の中で考えても、皆さん方の気持ちを全部わかっていません。一方的に、幹事のほうで「今度はこうしますよ」と言ったって、それは何か押しつけじゃないかと言われればそれまでです。私たちはまだ点と点でつながっているだけですから十分に気持ちは分かっていない。その辺の課題というのは、これはまた永遠の課題なのか、近い課題なのか分かりませんが、模索していきたいと思います。
ただ、私は言ってもらいたい。抽象的に「もっと考えろ、ああしろこうしろ」と言っても、具体的に「こういう方法はどうですか」という提案がなければ実を結びません。「幹事は努力不足」とか「やり過ぎだ」とかそういう抽象的なことは避けて、具体的なことで教えてもらいたい。そう思います。
本人の了解があれば会員名簿を開示して交流が持てる
Eさん 具体的ということで言いますと、かつては会員名簿って会員の間で開示されていたと思うんです。個人情報保護法が出てからはなくなったんです。あれはご存じだと思いますが、第三者提供制限というのは本人が了解すれば出してもいいわけです。ということは、会員内であれば出してもいいよという了解を本人からとれば、会員同士が住所や氏名とか、本人が了解すればできるわけです。
一つの具体的提案としては、先ほどの全会員ということを視野に置いたとき、最近は結構お年を召された方でもメールをやられている方がいる。SNSみたいになるとちょっと難しいかもしれないですけど、メルアドぐらいは携帯をお持ちの方もいると思うので、例えば了解を得た会員の方、たしか新潟とか佐渡の方とか結構いらっしゃると思うんです。ここには来られない方々のメールアドとかをお互いに交換するというか。
例えば私は大動脈解離ですね。AVRをやった患者さんというふうな、そういうわかるようなものだったらメールのやりとりだけでも、遠く離れていても一種の会話ができるんじゃないかなという気が致します。
司会(山本) ありがとうございます。大貫さん、名簿は手術の種類の記載がありましたか。
大貫(会計) ありません。
司会(山本) 手術の記載はないですね。どんな手術をしたかというところまでは把握してないです。
Eさん 新しくメルアドの記載もなかったと思います。電話はなかなかしにくいですね。メールを開示してそういう仕組みを作るのであれば可能かなと思います。「考心」の中で呼び掛けてもいい。
司会(山本) 今のご提案は検討したいと思います。「考心」があるわけですから、今までも「考心」にお便りとかいろんな感想を入れますと、同じ病気の方が連絡をとりたいということで連絡先を教えてくれという方が結構おられました。そのときは事務局できちっと教えて対応させていただいておりますが、そういう呼び掛けは今まではしておりません。検討したほうがいいかなというふうにも思いますので、幹事会で考えていきたいと思います。
「心臓病」と全部一律にしないで個々に対応したやり方が必要
Hさん 今日はもっと別な話をしようと思っていたんです。というのは、今までこういうふうな会だと偉い先生を呼んで……。偉い先生というのは、病気に詳しい京都の先生だとか、細胞医学の先生とかを呼んだり、また少し笑いがとれる人を呼んだり、いろいろしてきました。それはそれでよかったなと思ってたんですけど、だんだん資金のほうが営業的にどうも苦しくなっているような、そんな気が今はしています。
今までの心臓病の患者を対象にした講演会なり、お話なりというのは、やっぱりそれは特定多数というか、何か心臓病自体が全部一律、全部同じ病気になっているんです。ところが、「心臓病」という名前は同じだけど、中身は全然違うわけです。バイパスでも1本の人もいるし、7本の人もいる、それによって生活の対応がみんな変わってきたと思うんです。だからそういう人の立場に立った話し合いなり講演なりが私なんかは知りたいわけです。
例えば心臓病を患っている人には糖尿病とか、二つも三つも掛け持ちをして治療しているという人もかなりいるわけです。従ってそういうものをもう少し目を狭めてみないと、これを一律にしてしまうと、なかなか満足感を得られないのではないかのか、そういう気持ちに今はなってます。これは大変なことになっているんだな感じていますよ。
いつか笑いをとったような人も講演に来てくれましたよね。そういうものはいいとして、それだけだったらもう少し詰めた中で話をしていったらいいんじゃないかなと思っています。やめちゃった人もたくさんいますよね。でもそういう人たちをまだ活用できるんじゃないかという気がするんです。はがき1枚でもいいから、その人とのつながりとか伝達とかそういう話はできると思うんです。やれることはまだいっぱいあると思うし、金をいっぱい使わなくてもやれることがあるんじゃないかなと、そんな気がしています。
司会(山本) 今のご指摘は本当にそうだろうと思います。いろいろな症状の方、いろいろな手術をした方がひとまとめに来るわけです。具体的にその人だけの話ができればいいんですが、なかなかそうはいかない。毎回の講演にしても、今回は違った、次回はまた違うという形で、それなりに考えて先生方にもお願いをしていますが、なかなか満足のいくようにはなっていないとは思います。ほかの病気にかかっている方や合併症の方もおられます。ですから心臓だけやってても、ほかの病気の人もいるからほかの病気のこともやってもらいたいという意見を聞くこともあります。とにかく年に2回しかないわけです。あれもこれもというわけにはいかないということが一つのジレンマです。
今のご指摘、ご提案に関連しますので5番目の「心臓手術後の生活をより豊かにするための新しい芽は」に入っていきたいと思います。
あまり無理しないで長持ちさせることが大事
Iさん 私、7月にバイパスをやったんです。こういう手術なんか、どうせ3カ月ももたないで死ぬだろうと思いましてね。考心会には入ってなかったんです。それで半年過ぎて何とか生き延びられそうだと思って、ちょっと経験豊富な方と交流を深めて入ってみようかというのが動機で、今日初めて参加させてもらいました。吉村会長初め幹事の方々がいかに苦労されているかというのは本当によく理解できました。ありがとうございます。
先ほども私の前の方が「あまり無理をしないで長持ちさせることが大事じゃないか」というご意見言われましたが、私も全く同感です。先ほどはかなりプレッシャーのかかるご意見もあったようです。大変失礼ですが、吉村会長はお元気で張り切っておられるますが、このアンケートでも、原因はストレスによるのが一番多いような結果も出ています。吉村会長さんとか幹事の方々にあまりプレッシャーかかるようなやり方をさせるのでは我々もちょっとまずいというふうにも感じました(拍手)。
確かに有名なお医者さんの専門的な話もいいんでしょうが、講演会の場に、例えば落語とか漫才とか、不謹慎かもしれないけど死ぬ準備の話とか。私はそろそろ死ぬ準備に入る時期だと思っています。「ばか言うんじゃないよ」と言われるかもしれませんけど、まじめに考えないと、いつそういう時期がやってくるかわかりません。これは皆さん同じじゃないかと思います。
ですから、その死ぬ準備の話とか霊界の話とか、そういうのも講演会に取り入れてもらえると、楽しいと言っては怒られるかもしれませんけが、毎回心臓病の話ばっかりじゃ飽きてしまう。そういう内容も取り入れていただけたらと思って発言させていただきました。(拍手)
司会(山本) 確かにそのとおりです。心臓病にかかった人は、薬と食事と運動。この3点セットをやっていればいいというふうに考えがちですが、意外とそうじゃないですね。この3点セット以外で心臓病を予防する、あるいは再発しないようにする方法というのが結構あるんですね。今おっしゃった、ストレスをいかにためないかという環境を作る、あるいはそういうところに自分を持っていくとか、いろいろあると思います。今のご提案も大変参考になりました。それを総会や講演会に生かせるかどうかわかりませんが、無理をしないでそのことについても取り組んでいきたいと思います。
倉田先生にも顧問に就任して考心会に来ていただきたい
Jさん ちょっと戻るような質問ですが、この「考心会の今後」についての中で「南淵明宏先生ご退職後」という欄があります。この中の4番目に書いてあることで、「南淵先生の外に大和成和病院からは新たに倉田篤先生を顧問に」と書かれているんです。それから星印二つ下のところで、「大和成和病院の倉田先生、顧問就任を辞退」とあります。
私としては、南淵先生に大動脈弁閉鎖不全症で手術をしていただいたんです。南淵先生は本当に立派な先生で、素晴らしい先生であると思っているのは私だけじゃない。私は南淵先生がテレビに出演して手術をする場面が放送されて、それを見ていて私は心臓の手術をするんだったら、あのテレビに出ているあの先生にしていただきたいという思いで子供にインターネットで調べてもらったんです。 八王子で今、薬をもらっている病院でも、「あの有名な先生に手術してもらったんだから、本当に元気そうだ」ということをよく言われます。けれども大和成和病院の倉田先生も、もし来ていただけるんだったら何て素晴らしいことだろうと思っています。
倉田先生もいろいろな医学雑誌に載ってらしたり、大和成和病院のナンバー2ぐらいで南淵先生の次に立派な先生だなと自分で納得していました。倉田先生の患者さんで私より12歳若い女性の方と文通していますが、その方も倉田先生にも考心会の顧問になっていただけるといいわねと仰っていました。私も賛成です。話が戻る形の質問ですが、倉田先生は来ていただけるのか、どうなのかなという質問です。
司会(山本) 吉村会長、このの件でお願いします。
吉村(会長) 倉田先生の考えがどうなのかということと、それから考心会と大和成和病院の関係がどうなのかということです。今はそういう方向では明るい方向に向かっています。それがどういう形になるかというのは、私が決めることではなくて相手が決めることです。ですからそれはもう少し時間をかけてみたいということです。
司会(山本) 時間が来ていますので、あと1人だけ伺いたい。
考心会は「心の在り方を考える会」だと思っています
Kさん 私は今78歳です。20年前に、ある大学病院でバイパス手術しました。それから3年間、患者の会に入りました。考心会と同じような会です。3年続いて先生の異動に伴って消滅しました。私は1年に1回総会に出まして、ほんとに同じような病気で手術者の顔を見まして安心しておりました。
15年たって大和成和病院で、今度は倉田先生に5本やってもらいました。それでこの考心会の存在を知り、入会しました。会費3000円で総会を開いて、講演会もやって会報も出して、私はこれはものすごい素晴らしいことだと思います。(拍手)これを継続していただくことが一番大事だと思います。私は難しい話を聞きに来るんじゃない。心臓病で悩み苦しんでバイパスや弁など死ぬかもしれないと思う手術をして、みんな助かって元気になっている人たちです。
こういう人たちの顔を見るだけで、私はものすごい安心感を得ます。1年に1回、安心感を得るためにここへ来ます。まだまだこの考心会を続けていっていただくために、本当に会長、幹事さん、ご苦労さまと思います。大変だと思います。本当に心から頭が下がる思いです(拍手)。「考心会」という名前は素晴らしい名前だと思います。心臓を考える会じゃない、心のあり方を考える会だと私はそう思っています。今後もぜひよろしくお願い致します(拍手)。
司会(山本) ありがとうございました。今まで皆さん方からいろんなご意見、ご感想、ご提案をいただきました。これを持ち帰りまして幹事会でまたいろいろと検討させていただいて、事業運営の中に反映させていただきたいと思います。
実は南淵先生にこのフリートークを最初からずっと聞いていただいております。いろんな意見が出ましたので、最後に南淵先生にご感想なりご意見を伺ってフリートークを締めたいと思います(拍手)。
南淵先生 私が昨年12月に突然大和成和病院を退職したということで、皆さま方に本当にご迷惑をおかけして、また今回こういった形で皆さんの心の底からの叫びというようなものが発せられてよかったと思いますけれども、そういう事態に追いやった責任、すべては私の不徳の致すところでございまして、ほんとうにおわび申し上げます。
私は12月に退職した後、正直申し上げまして、新たな東京ハートセンターで精いっぱいでございまして、新しいところで気持ちを新たにした、もっとやってやるぞ、もっとすごいことをやってやるぞということで気合も入れたんですが、なかなか大変な面もありました。もちろん今もそういった問題がすべて解決したわけじゃないですけど、そういった意味で以前の成和病院、あるいは考心会の人たちがどうなっていくのかということを、半ば傍観者的に見させていただいている部分もなきにしもあらずで、何だあいつは無責任なやつだと叱られるかもしれません。
しかし、そもそも考心会というのは、私がかつて湘南鎌倉総合病院という病院に15年ほど前3年間在職していたわけですけれども、その時に出来上がった会です。1997年に出来上がったと思います。それ以降ずっと会員の方もいらっしゃいます。その病院も、あるとき急に退職せざるを得なくなったということで、吉村さんにはあまりその事実を触れていただかないほうがよかったんですが、皆さんにさっきばらしちゃいましたけれども、そういう不徳の致すところが14年後にもまた起こっているのかなという気もしないでもありません。
ただ、今回はさらに大きな飛躍ということで、私のみならず、何人かのスタッフがついてきたということがあって。またこの考心会も非常に発展を遂げ、またそれなりに皆さんからいろんな意見も出ましたけれども、意義を見出して活動している真っ最中です。このエネルギーはそう簡単には消えないであろうということを今日確信しましたし、そのように予想しておりました、今後もそのとおりであろうと思います。
心臓手術というのは人の心にふれることです
最後のKさんは素晴らしいご意見だったと思います。Kさんの言葉にありましたように、本当に人間というのは論理的なもので行動したり決断するものではありません。皆さんの心臓の手術もそうだと思います。そういった人間は一体何なのかということです。私は鎌倉の病院におりましたとき、自分は心臓外科医の駆け出しで34歳でしたが、目の前の患者さんの心臓手術、こんな大事なことをやらせてもらえる、うれしい、何て自分はすごいんだろうなんて、相対する患者さんといろいろお話をさせていただきました。
しかし、先ほどの話にもありましたけど、ほんとに死んじゃうかもしれない、とんでもない手術です。よくこんな気持ちになれるな、どうやったらこんなふうな気持ちになれるんだろうと。まずその患者さんに対する興味です。自分が患者でないがゆえに、医者である責務というのではなく、同じ人間として人間に対する興味です。そういったエネルギーというものがこういった会に結実していったのではないかと思います。僕が作ったわけではないんですけれども、こういった形で協力させていただいたと思います。
つまり患者さんがそれぞれの今後の生活を考えるということもありますが、人間とは何なのか、人とは本当にどのように生活して、どのようにして今日を過ごし、明日を迎え、そして先ほどお話がありましたように、この世からなくなっていくのか。これは皆さん、「患者さんにそんなことを言うな、医者は何て冷たい、そんなことを言っちゃおしまいじゃないか」と言われるかもしれない。僕でもそうです。僕もいつか消え去ってしまいます。地球が消え去るまで10億年間ずっと冷たい冷たい土の中に入っていなければいけないわけです。それは数年後かもしれない、もって何十年です。不謹慎かもしれませんけど、その疑問に答えていただくための自分の興味というか、そのエネルギーがこういったものに結集しているのかなと思ったりしております。
自分を述懐するとそうですけれども、また同時に今日、皆さんは、まさに最近のハーバード大学のマイケル・サンデルの「白熱教室」というのがありますけど、それに勝るとも劣らないぐらいの今日は白熱した議論を聞き、本当に自分自身が今までやってきた心臓の手術、人の心に触れるという、まさに心臓というのは、先ほどKさんがおっしゃったように心に触れるということです。心に触れることを我々心臓外科医というのは、やらせていただいている。その心というのはその後どうなっていくのかというようなことです。どうなる、やっぱり熱く燃えたぎり続けるんです。
皆さんはそれぞれ立場も違うし病気も違うでしょうけれども、心臓の手術をやったということでここに結びついて一緒にいられる。僕自身も心臓外科医という立場、あるいは皆さんもこのご縁でもってまさにこの今生です、通過したというか、やらずを得ないというか、あるいはやらせていただいた、その心臓手術というものの大きな大きなイベントが持っている意味ですね。それを本当に改めてこれは大変なものだなと思いました。
手術を受けるということももちろんそうなんですけれども、受けて生きていくということもそうだと思います。しかし、人の心臓に手術をやらせていただくということがどれだけ大変なものなのか、どれだけ大それたものなのかということを、改めて本日、僕は心に刻み込むことができました。本当にありがとうございます。今日は奥山先生が来てますけれども、彼も同じ気持ちだと思います。
人が人に対して行う、僕は皆さんに手術前に言うかもしれません、言ったかもしれません。一番ひどい残虐な行為。これが心臓の手術。しかし、よかれと思ってやる。そして皆さんはその結果、健康な生活を取り戻される、あるいはそうならなかった方もいらっしゃる。そういったことをしでかしてしまう自分たち、それが許されている社会、あるいはそれをお受けになられた皆さんがこうやって生活している、この現実を本当に意義深いものとして、言葉では言い表せないですけれども、これからも自分自身はこの世に生まれた、本当に素晴らしいこういったものにかかわって後悔することもあるんですけれども、かかわってこれている自分というものに、ほんとに幸運というか、この上ない幸せを感じて過ごしていきたいと思います。
皆さんにおかれましては、心臓の手術という大きなイベントを乗り越えられましたけれども、この考心会というところに来ていろいろとお考え、ご不満もおありになられたかもわかりません。
先ほどのご意見に対しては僕もいろいろ案もあります。講演でもお話ししました。若い方で心臓弁の方を中心に集まりができかけているというようなことです。かといって、いかにもこの中の患者さんを医学的側面で、大動脈弁、機械弁、生体弁、バイパス、動脈、緊急手術、心臓機能が悪い、あるいはバイパスと心臓弁の両方、そういうのに分けてしまうと、いかにも石頭な分け方な気がします。もちろんそういう側面もあるということです。一くくりでくくってしまって、とにかく何事においても最大公約数で済まそうと。これも非常に意気地のないと言うと変ですけど、消極的な姿勢かもしれません。
とにかく、いろいろ形でこの会がどんどん発展していけばいいと思います。この会というのは名前が物語っておりますように、だれが手術したとか、どの病院がかかわっているとか、そういうものではない。僕自身、病院が主体としてやる、医者側が主体としてやる患者会というのをわきで見ていて非常に嫌気が差した時期がございました。それでこういった会を、とにかく皆さんが主体で運営していただこうというふうに思っております。
先ほど吉村さんの話にもありましたように、「病院と話したら、こんなことになりそうです」「いやそれはいいですね」と僕は傍観者というと無責任かもしれませんけど、とにかく皆さん主体で皆さんの感じたとおり、やりたいとおりにおやりになられて、それで突き進んでいけばいいと思ったりしたわけです。
先ほど東京ハートセンターは100人の手術を行ったと言いました。この中にも何人かいらっしゃったし、その方のお話も後でお聞きしまして、今日の課題と言うべきでしょうか、皆さんの興味と言うべきでしょうか、こういった考心会が私の前任の病院で受けられた患者さん、そして東京ハートセンターで手術を受けられる患者さんが分け隔てなく集まって活動させていただけるものかどうか、ぜひ進めていきたいとこのように考えております。
そういうことでちょっと長くなりましたが、いろいろ思うところもたくさんありました。これまでにない会という感じに思っております。会長の吉村さん、司会の山本さん、それから幹事の方、本当にありがとうございました(拍手)。
司会(山本) 南淵先生、ありがとうございました。今日、皆さん方からいろんな意見を伺いました。南淵先生の力強いお言葉もいただきましたので、これを胸に刻んでさらに前進を続けてまいりたいと思っております。今後ともよろしくお願い致します。最後に田副会長より締めの言葉をいただきたいと思います。
田(副会長) 心の中はほんとにこの会がいつまでも発展してほしいなというのが本音です。吉村さん、山本さん、素晴らしい指導者がいるからこの会が続いているんだと思います。いつまでも長生きしてほしいなと思います。(笑)長時間ご清聴をありがとうございました。今後ともこの会を皆さんで盛り上げましょう。今日はどうもありがとうございました(拍手)。
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