患者会「心臓病手術後の生活を考える会」(通称:考心会、会長:吉村悟一氏、事務局:神奈川県厚木市、ウェブサイト:
http://www.koushinkai.net/)」が、手術に至った経緯や術後の経過・生活状況などに関する詳細なアンケートを会員対象に行い、その結果を出版した(右写真)。考心会発足15周年を記念した調査で、総会員914人中533人から回答があった(回収率58.3%)。
考心会は、心臓外科医として知られる南淵明宏氏の手術を受けた患者が集まり、発足した。同氏が湘南鎌倉総合病院に在職していたときに現在の前身となる会が組織され、その後の大和清和病院勤務時に現在の名称になった。2010年、南淵氏は大崎病院東京ハートセンターに転出したため、会員は主にこの3病院で心臓外科手術を受けた患者で構成されている。なお、南淵氏は考心会の顧問を務める。
アンケートは「基本データ」「心臓手術を受けたことについて」「心臓手術後の経過について」「再治療・再手術について」「現在の生活について」からなる。「基本データ」では年齢性別、手術を受けてからの経過、職業、収入、同居家族の有無などを、また「心臓手術を受けたことについて」では診断の契機、飲酒・喫煙状況、合併症、自覚症状、宣告を受けたときの心理、病院の選択法、セカンドオピニオンの取得の有無などを聞いている。枝問を含めると、計60問以上に及ぶ。
その結果から、手術後に元の仕事に復職した患者は76%、診断時に自覚症状がなかった患者がほぼ3分の1(疾患により異なる)、外科治療が必要と言われたときに死の恐怖といった不安を感じたとの回答は計25%、術後の不安で最も多いものは「再発」といった、患者の実像が浮き彫りになっている。
広報を担当する同会幹事の後藤大和氏は「例数の大きな調査で心臓外科手術を受けた患者の状況を具体的に表したデータとして、医療関係者やこれから手術を受ける患者・家族にとって貴重な情報源になるだろう」と話している。
調査結果は冊子(A4判58ページ)にまとめられており、希望者には1部500円で販売している。購入希望者は件名を「アンケート報告書購入希望」としたメール、またはハガキに、(1)住所、(2)氏名(個人または法人名)、(3)電話番号、(4)冊数(1人または1法人で5冊まで)、(5)購入希望理由――を明記の上、考心会事務局に申し込む。なお、問い合わせは下記メール、もしくは電話(0505512-1878:事務局、山本)にて。
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